鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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観覧車の歌 #2
〈頂上で乗って頂上で降りるならいいよふたりきりの観覧車〉(鈴木晴香『心がめあて』) -
人生の歌 #101
〈長生きができたらいいな ひまわりの黄は漆黒にあんがい似てるね〉(早坂類『風の吹く日にベランダにいる』) -
観覧車の歌 #1
〈観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生〉(栗木京子『水惑星』) -
自転車の歌 #13
〈白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり〉(高野公彦『汽水の光』) -
人生の歌 #100
〈勝ち負けを決めないことも負けかもと思う あなたの下着を吊るす〉(岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』) -
人生の歌 #99
〈三十分ゴルフの話ばかりして三十分減るおれの人生〉(ユキノ進『冒険者たち』) -
人生の歌 #98
〈おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海〉(青松輝『4』) -
チョコレートの歌 #18
〈チョコレートはとけるとき悲鳴あげるから警察にだってとどけていい〉(我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』) -
チョコレートの歌 #17
〈チョコレートアイスを落とした跡がある頁とばして次の章まで〉(安田茜『結晶質』) -
コーヒーの歌 #18
〈ストローをせり上がりくるコーヒーの見えざる黒きストローなれば〉(染野太朗『初恋』) -
人生の歌 #97
〈生くるとは慣れぬことがらに出会ふこと熟していくこと羊雲みあぐ〉(秋山佐和子『豊旗雲』) -
人生の歌 #96
〈もう若くないと思えど死には若き齢を生きて朝鵙に遇う〉(吉川宏志『鳥の見しもの』)