生きる– tag –

〈「幸せに暮らしましたが死にました。けれど死ぬまで幸せでした」〉（木下侑介『君が走っていったんだろう』）

〈生きたいと思えるようになるまでは生きると決めて膨らます肺〉（島楓果『すべてのものは優しさをもつ』）

〈生まれたくなかったなんて思わずに生きてこられたという僥倖〉（水野葵以『ショート・ショート・ヘアー』）

〈手水舎にみずはあふれて祈りとは生きたこと、生きつづけたいこと〉（鯨井可菜子『アップライト』）

〈もうたりひんことをかぞえるひまはない　／　このひとたちと生きていきます〉（今橋愛『としごのおやこ』）

〈若き日の問ひは大方消え去りぬ答なきまま　散りゆく雲よ〉（春日いづみ『地球見』）

〈バスの来る方ばかり見てバスの行く方を私は見ていなかった〉（木下龍也『つむじ風、ここにあります』）

〈死ねって叫びたいとき逆に生きろって叫べば商店街に春風〉（小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』）

〈秋だけど春を感じる風の中いまだ世界に慣れてはいない〉（笹川諒『水の聖歌隊』）

〈秋日傘つつと回してここにいるわたしはわたしの地軸でいいよ〉（toron*『イマジナシオン』）

〈「大吉が出るまで引けばいいじゃない諦めたら試合終了なんでしょ」〉（上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』）

〈人生は勝ち負けじゃないと思うけど　水上バスは気持ちがいいな〉（鈴木ちはね『予言』）