生きる– tag –
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人生の歌 #37
〈生まれ変はつてもサラリーマンであるやうな冬空の下にバスを待ちをり〉(田村元『昼の月』) -
人生の歌 #36
〈グラサンに映る雲、虹、時雨、雪。なにもしないままの思春期が終わる〉(しんくわ『しんくわ』) -
人生の歌 #35
〈どのときが思い出になるか知らずあと三キロを歩くと決めて〉(花山周子『屋上の人屋上の鳥』) -
人生の歌 #34
〈押ボタン式信号と気付かずにここで未来をじっと待ちます〉(松村正直『駅へ』) -
人生の歌 #33
〈ひぢまくらして客を待つ信楽の狸もぐわんばらないを主義とす〉(吉岡生夫『草食獣 隠棲篇』) -
人生の歌 #32
〈たった今明らかなことはただひとつこの二十年ほどを死んではならぬ〉(永田淳『1/125秒』) -
人生の歌 #31
〈雷龍の国にてしのぐ霧雨の、此の人生が一度しかない〉(光森裕樹『鈴を産むひばり』) -
人生の歌 #30
〈駅前でもらうティッシュは二つまで もてる荷物で生きてゆきます〉(高田ほのか『ライナスの毛布』) -
人生の歌 #29
〈また爪の半月ほどの後悔をしてゆくだろうきっと明日も〉(小島なお『乱反射』) -
人生の歌 #28
〈運命は自ら開くものとして黙って受けるものは宿命〉(岡部桂一郎『坂』) -
人生の歌 #27
〈進むため選ばなかった道の分豊かになるのが人生である〉(犬養楓『救命』) -
人生の歌 #26
〈お茶筒がふすりと閉まる瞬間もいつか死ぬって信じきれない〉(櫻井朋子『ねむりたりない』)