チョコレート– tag –

〈キットカットのかけらを運んでゆくぼくは蟻だとおもう蟻だあねぼくら〉（斉藤斎藤『渡辺のわたし』）

〈失った季節はとおい　融点を超えるとチョコはかたちをなくす〉（伊波真人『ナイトフライト』）

〈チョコレートをやれないぶんをいつもより甘めのハグで犬に伝える〉（岡野大嗣『音楽』）

〈ガーナ人の先生がくれしガーナチョコ味はひ深きを言ふ日本語で〉（大口玲子『自由』）

〈チョコレイト眠る冷蔵庫の中に贖罪のように白い牛乳〉（鈴木晴香『心がめあて』）

〈くちばしを開けてチョコボールを食べる　机をすべってゆく日のひかり〉（永井祐『日本の中でたのしく暮らす』）

〈愛を思えばくわえた薄いチョコ重くなるよねずみが運べないほど〉（雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』）