鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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麻雀の歌 #8
〈眠れない夜にネットの麻雀を消音にしてずっとしている〉(鈴木ちはね『予言』) -
コーヒーの歌 #10
〈コーヒーは人に淹れてもらうほうがうまい愛があってもビンタは痛い〉(上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』) -
コーヒーの歌 #9
〈欠けたままのコーヒーカップに息づいた記憶たどれば新緑のころ〉(田中ましろ『かたすみさがし』) -
コーヒーの歌 #8
〈何処かに在るひだまりで繰り返し原田知世がブレンディを飲む〉(荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』) -
チョコレートの歌 #9
〈麦チョコの大きめの麦ばかり取るきみを気に入る現世だったと〉(榊原紘『悪友』) -
手品の歌 #10
〈手品師が弾いたゆびの速度にて川をながれてゆくさくらばな〉(吉岡太朗『世界樹の素描』) -
手品の歌 #9
〈あらすじは帯に短く書かれおり海べりをゆく手品師と犬〉(吉川宏志『石蓮花』) -
パンの歌 #10
〈投げこめばパンくずがよわい同心円を描いて水鳥がそれを壊して〉(鈴木ちはね『予言』) -
パンの歌 #9
〈ばかだらけです神様と告げ口をする 骨のないパンこんなにうまい〉(雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』) -
パンの歌 #8
〈つぶれてたクリームパンを鞄から出す今日ずっとたのしかったな〉(岡野大嗣『音楽』) -
パンの歌 #7
〈この夕べ抱えてかえる温かいパンはわたしの母かもしれない〉(杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』) -
パンの歌 #6
〈フジパン本社だが春昼にパンを焼く匂ひでここは有名になる〉(荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』)