コーヒーの歌 #8

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コーヒーの短歌

何処かに在るひだまりで繰り返し原田知世がブレンディを飲む
荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』

荻原裕幸の第六歌集リリカル・アンドロイド(2020年)に収められた一首です。

俳優・原田知世がブレンディのコーヒーを飲むCMの場面から生まれた歌だと思います。

ブレンディ(Blendy)は、味の素AGF株式会社が発売するインスタントコーヒーのロングセラー商品です。

確かに、CMにおいてブレンディを飲んでいるのは暗いところではなく、ひだまりのイメージが浮かびます。「何処かに在るひだまり」という表現が、実際にある場所のようにも思えますし、また光に満ちた想像の場所のようにも思えます。

CMですから繰り返し流され、何度も見ることになるでしょう。それを「繰り返し」「飲む」と表されたことで、原田知世がブレンディを飲む場面が強化され、単に映像を見ているのではなく、「飲む」という行為そのものがまさに繰り返されている場面だけが迫ってきます。

最近では、YouTubeなどのインターネット上の動画サイトで過去のCMも見ることができますから、この「繰り返し」はあるいは、主体が自らの意思で何度も動画を再生しているとも読むことは可能です。

人生においてはまったく同じ場面が繰り返されることはないでしょうが、映像であればまったく同じ場面が繰り返されることはあるのです。この繰り返しに、実際の時間の流れと異なった雰囲気を感じます。ただし、初句・二句の表現によって、その雰囲気は決して嫌なものではなく、むしろ繰り返し味わいたいような気持ちが芽生えてくるのです。

ひだまりとブレンディと原田知世。そのつかの間は、何度でも繰り返されるべき時間のような、明るさを伴ったつかの間なのではないでしょうか。

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