2024年– date –
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人生の歌 #77
〈かがまりてもやしのひげ根をとる厨 些事にこだはる日は平和なれ〉(蒔田さくら子『標のゆりの樹』) -
直線・曲線の歌 #8
〈やわらかな曲線である 新入学児なみなみ載せたプラットホーム〉(安藤美保『水の粒子』) -
直線・曲線の歌 #7
〈白鳥の首のカーヴのあの感じ、細い手すりに手を添えている〉(鈴木加成太『うすがみの銀河』) -
直線・曲線の歌 #6
〈丁寧に落ち葉を吸っていく機械が曲線の多いフォルムをしていた〉(鈴木ちはね『予言』) -
直線・曲線の歌 #5
〈水引を指でなぞれば曲線の果てにとつぜん取り残されて〉(櫻井朋子『ねむりたりない』) -
直線・曲線の歌 #4
〈使い捨てコンタクトレンズひからびて記憶のカーブをぐんにゃり描く〉(俵万智『チョコレート革命』) -
直線・曲線の歌 #3
〈まっすぐな道を見るとき直線を腸からのどのあたりに感ず〉(雪舟えま『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』) -
直線・曲線の歌 #2
〈曲線どれもがあざやかになる春先の曲線として妻を見てゐる〉(荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』) -
直線・曲線の歌 #1
〈さびしさを知る直線と曲線が交差しながら明けてゆく空〉(松村正直『駅へ』) -
人生の歌 #76
〈よりどなく生くるといへど日が差せば冬あたたかきひかり身に浴ぶ〉(坂出裕子『日高川水遊』) -
傘の歌 #30
〈ひとつぶの雨落つるまへに傘さして去り行くひとのうしろ影あり〉(沢田英史『異客』) -
人生の歌 #75
〈人生をある朝とつぜん理解するブロッコリーが嫌ひだつたと〉(沢田英史『異客』)