2024年9月– date –

〈観覧車は二粒ずつの豆の莢春たかき陽に触れては透けり〉（杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』）

〈自販機のタバコを取りにかがむときあはれそびらのさらすかずかず〉（小笠原和幸『定本　春秋雑記』（セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載））

〈平和とは平和だ　それは「基本」だが平和でできる役満は無い〉（松木秀『RERA』）

次の歌の【 ① 】に入る言葉は何？　〈畳まれた【 ① 】はたぶん比喩でしょう頑張れないまま死ぬことだとかの〉　（九螺ささら）

次の歌の【 ① 】に入る言葉は何？　〈明滅をやめたひかりの【 ① 】揺れぬひかりはただの照明〉　（勺禰子）

次の歌の【 ① 】に入る言葉は何？　〈疲れとは【 ① 】に似たりあつき湯につかりて今日の二つをはらふ〉　（小笠原和幸）

〈「わたしそこはこだはつてないから」と言ふときのこだはりをこそ恐怖と思へ〉（勺禰子『月に射されたままのからだで』）

〈ガーナチョコひと区画ずつ折りながら桜の下に月の出を待つ〉（笹本碧『ここはたしかに 完全版』）

2024年度は、坂井修一「鷗外守」と山田富士郎「UFO」のダブル受賞となった、2024年で第60回を迎える短歌賞は何？

〈風景のやうに己れの一生をながめてはならぬとかくは思へど〉（小笠原和幸『定本　春秋雑記』（セレクション歌人『小笠原和幸集』））

〈竹やぶなれば成人誌などは棄ててあり目に沁みて裸体の下着くれなゐ〉（川本浩美『起伏と遠景』）

〈吾のごとき沙よりちさきいきものも空白感は鯨のみこむ〉（渡辺松男『雨る』）