問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈疲れとは【 ① 】に似たりあつき湯につかりて今日の二つをはらふ〉 (小笠原和幸)
A. 怒り
B. 穢れ
C. 病ひ
D. 借入れ
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解答 – Answer
B. 穢れ
解説
疲れとは穢れに似たりあつき湯につかりて今日の二つをはらふ
掲出歌は、小笠原和幸の第三歌集『春秋雑記』(2000年)の改稿版『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載)(2003年)の一連「春秋雑記」に収められた一首です。
仕事を終えた後の場面でしょうか。
今日一日の仕事を終えて、主体は「疲れ」を感じているのですが、その「疲れ」は「穢れ」のようだと詠われています。
なぜ疲れるのでしょうか。それは業務そのものに対して向き合った結果の疲れもあるでしょうが、他者との関わりを一日こなすことによる疲れも大きいのではないでしょうか。
「穢れ」と似ているといわれるとき、「疲れ」はまるで体にまとわりついた何かのようにも思えます。「二つをはらふ」と表現されるとき、「疲れ」だけを背負っていた主体が、いつの間にか「穢れ」をも背負ってしまっていることが窺えます。似ていた「疲れ」と「穢れ」が、結句においては二つに分離してしまっているかのように詠われています。
言葉の音的にも、”ツカレ”と”ケガレ”は少し似ているところもポイントではないでしょうか。