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鑑賞
パンの歌 #29
〈ハムサンド乱暴に買い発つことを誰にも告げず特急に乗る〉(岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』) -
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パンの歌 #28
〈いびつなパンを焼き上げながらぼくに聞く火星をめぐる月の名前を〉(ユキノ進『冒険者たち』) -
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パンの歌 #27
〈思い出に見張られている宵のくち舟のかたちのパンを購う〉(榊原紘『悪友』) -
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パンの歌 #26
〈いまはただ春の麒麟にあいたくて卵サンドをつくっています〉(岸原さや『声、あるいは音のような』) -
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パンの歌 #25
〈円盤のような焼きパン一段と高きところに載せたるパン屋〉(安藤美保『水の粒子』) -
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パンの歌 #24
〈苛立ちをなだめる為の象かなサンドウィッチのフィルムを剝がす〉(堀合昇平『提案前夜』) -
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パンの歌 #23
〈夫も子も居ぬ昼食のうれしさよ栗入りアンパン薄く頰張り〉(川本千栄『樹雨降る』) -
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パンの歌 #22
〈メロンパンだつた破片をテーブルの隅に集める冬のつとめて〉(田村元『昼の月』) -
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パンの歌 #21
〈水仙の薫る小路を抜けてゆく朝の焼きたてコッペパンまで〉(藤島秀憲『すずめ』) -
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パンの歌 #20
〈白パンにバターとジャムを塗ることが幸せである行為 はつなつ〉(小島なお『乱反射』) -
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パンの歌 #19
〈鋭角の切断面を鮮やかにさらしてサンドイッチがならぶ〉(松村正直『駅へ』) -
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パンの歌 #18
〈老人は自転車で来て鳩たちにまぶしきパンの耳を降らせる〉(魚村晋太郎『銀耳』)