鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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パンの歌 #13
〈蒸しパンをちぎったあとの指先を押し付ける、わけでもなく触れる〉(笹川諒『水の聖歌隊』) -
自動販売機の歌 #5
〈製造課に若手社員が増えてきてジュースの売れ行きのびる自販機〉(奥村知世『工場』) -
自動販売機の歌 #4
〈「どうぶつのえさ」ももなかに包まれて自動販売機より産まれる〉(ほんだただよし『パパはこんなきもち。~こそだてたんか~』) -
自動販売機の歌 #3
〈陰毛が生えてくるのが嫌だった そのころ自販機は110円〉(鈴木ちはね『予言』) -
自動販売機の歌 #2
〈ありとあらゆる部分を使い自販機のボタン同時に押せよ 叶うぜ〉(小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』) -
自動販売機の歌 #1
〈自販機のなかに汁粉のむらさきの缶あり僧侶が混じれるごとく〉(吉川宏志『石蓮花』) -
ラーメンの歌 #6
〈カップ麺啜れば骨の芯までも痺れるだめだもっと喰いたい〉(堀合昇平『提案前夜』) -
ラーメンの歌 #5
〈淀むほど煮干しの入ったラーメンをひどい顔色でしあわせに食べる〉(柴田葵『母の愛、僕のラブ』) -
パンの歌 #12
〈好きそう、とあなたが買ってきてくれるパンことごとくわんぱくなパン〉(toron*『イマジナシオン』) -
ラーメンの歌 #4
〈怒鳴られたあとも天一の日はラーメン食べて笑顔でいる人〉(上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』) -
ラーメンの歌 #3
〈つけ麺と油そばとの違い図に記すあなたの頰を張りたい〉(小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』) -
ラーメンの歌 #2
〈〈ラーメン〉と赤地に白く染められた決定的な幟はためく〉(工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』)