アンブレラ– tag –
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傘の歌 #20
〈悪くない 置き忘れたらそれきりのビニール傘とぼくの関係〉(松村正直『駅へ』) -
傘の歌 #19
〈なんらかのテストのようでまた傘の角度を前に左に変える〉(虫武一俊『羽虫群』) -
傘の歌 #18
〈雨に傘ひらく何かの標的となるかもしれぬことも知らずに〉(正岡豊『四月の魚』) -
傘の歌 #17
〈どれがわたしの欲望なのか傘立てに並ぶビニール傘の白い柄〉(魚村晋太郎『銀耳』) -
傘の歌 #16
〈傘を買うのは恥ずかしい 片思いしているような恥ずかしさなり〉(染野太朗『あの日の海』) -
傘の歌 #15
〈それぞれの記憶を混ぜて傘立ての水受けはなに映し出すかな〉(佐佐木定綱『月を食う』) -
傘の歌 #14
〈フラミンゴきれいに足を折りたたみあの日失くした傘かと思う〉(toron*『イマジナシオン』) -
傘の歌 #13
〈傘のなか青信号を待ちながらきみには告げないきみの悪癖〉(榊原紘『悪友』) -
傘の歌 #12
〈たわむれに傘をかざせばふりかかるきらきら雨は不幸のほそさ〉(野口あや子『眠れる海』) -
傘の歌 #11
〈不意打ちの雨も必ず上がるから島の娘は傘を持たない〉(松村由利子『耳ふたひら』) -
傘の歌 #10
〈鞄のなか昨日の雨に冷ゆる傘つかみぬ死者の腕のごとしも〉(楠誓英『禽眼圖』) -
傘の歌 #9
〈外履きのバッシュに桜がついてくるすぐに着くから差してない傘〉(岡野大嗣『音楽』)
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