鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
-
無数の歌 #4
〈それでおまえはどうしたいのだ 海原にひかり無数の切れ込みがある〉(松村正直『紫のひと』) -
無数の歌 #3
〈白くひかる無数の小部屋を目に映しエクセルでつくる販売計画〉(ユキノ進『冒険者たち』) -
無数の歌 #2
〈砂時計のあれは砂ではありません無数の0がこぼれているのよ〉(杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』) -
無数の歌 #1
〈青空に浮かぶ無数のビー玉のひとつひとつに地軸あるべし〉(山田航『さよならバグ・チルドレン』) -
傘の歌 #38
〈雨の朝どこへも行けるさびしさに傘はちいさく世界を弾く〉(柳澤美晴『一匙の海』) -
傘の歌 #37
〈雨傘を泥につきさしながら行く何かを君に誓いたき日は〉(江戸雪『駒鳥』) -
人生の歌 #114
〈貧しさがデフォルトであるわたしたち笑えと言われるままに笑うよ〉(柳澤美晴『一匙の海』) -
メールの歌 #20
〈メール無精を責めるメールをうつときの言語野に雪ああ降りしきる〉(柳澤美晴『一匙の海』) -
直線・曲線の歌 #12
〈会うためにあるいはもう会わないために橋は静かにカーブしている〉(鈴木晴香『心がめあて』) -
メールの歌 #19
〈君の名はモモイロフラミンゴぼくの名はメールのしっぽに書いておきます〉(杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』) -
傘の歌 #36
〈ジュラ紀にも梅雨があったかもしれないこうもり傘の遠いい記憶〉(杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』) -
傘の歌 #35
〈ホームみて車内みまわし傘もっているのが自分だけとわかった〉(吉岡生夫『草食獣 第八篇』)