鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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鑑賞
人生の歌 #106
〈約束をしないつもりで生きてきたでもあの人とは約束したい〉(九螺ささら『ゆめのほとり鳥』) -
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傘の歌 #33
〈バス停もバスもまぶしい 雨払ふごとく日傘を振つてから乗る〉(石川美南『架空線』) -
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傘の歌 #32
〈バーバリーもレノマの傘も役立たぬ 私の中に雨が降るとき〉(大田美和『きらい』) -
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パンの歌 #29
〈ハムサンド乱暴に買い発つことを誰にも告げず特急に乗る〉(岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』) -
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パンの歌 #28
〈いびつなパンを焼き上げながらぼくに聞く火星をめぐる月の名前を〉(ユキノ進『冒険者たち』) -
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パンの歌 #27
〈思い出に見張られている宵のくち舟のかたちのパンを購う〉(榊原紘『悪友』) -
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観覧車の歌 #6
〈観覧車ひとつずつ倒れ見透しが好くなってゆくある日ぼくらは〉(我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』) -
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観覧車の歌 #5
〈観覧車のどかにまわる空のした係員がいて券を受け取る〉(松村正直『やさしい鮫』) -
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観覧車の歌 #4
〈まるで悪意のごとき等距離 傾いた夕空に観覧車点れり〉(魚村晋太郎『銀耳』) -
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人生の歌 #105
〈人生を笑い飛ばして去っていく……わけにもいかず草抜いている〉(大下一真『即今』) -
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人生の歌 #104
〈深夜ラジオの天気予報を聴きをれば今日はたしかに昨日のつづき〉(小川真理子『母音梯形』) -
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人生の歌 #103
〈散らかしたまま書いている人生に誤字も脱字もそのままにある〉(小川佳世子『水が見ていた』)