チョコレートの歌 #14

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チョコレートの短歌

掛け紙もリボンも金色 初売りのモールの店にゴディバを選ぶ
鯨井可菜子『アップライト』

鯨井可菜子の第二歌集アップライト(2022年)に収められた一首です。

「二〇二二年一月一日(土)群馬の夫の実家へ」と詞書にありますが、夫の実家への手土産として事前に買っておいた「ゴディバ」をもっていったのでしょうか。それとも一旦実家へ着いてから、モールへ出かけ「ゴディバ」を購入したのでしょうか。いずれにしてもモールでゴディバを買ったことは確かでしょう。

ゴディバ(GODIVA)はベルギーに本社を置く有名な高級チョコレートメーカーですが、チョコレートのほかにもクッキーやケーキ、アイスなどを取りそろえています。ショコリキサー(Chocolixir)というフローズンドリンクも人気です。

掲出歌では、チョコレートとは書かれていませんが、ここではゴディバの主軸といえるチョコレート、あるいはチョコレートが多めに含まれた商品を指していると採っておきたいと思います。

高級チョコレートといえば「ゴディバ」という時代もかつてはあったでしょう。しかし、現在はチョコレート専門店も多く見られるようになり、チョコレートといえば「ゴディバ」一択というわけではなく、さまざまなチョコレート専門店からお気に入りの商品を選ぶことができるようになりました。

しかし、「ゴディバを選ぶ」と表現されており、主体はゴディバをはっきりと選択した様子が窺えます。「初売り」で「掛け紙もリボンも金色」ですから、とても華やかでおめでたい印象を受けます。さまざまある専門店の中から、チョコレートを、そして「ゴディバ」を選んだところに、一月一日の主体の意思が表れているのではないでしょうか。

一年の初めは気分よくスタートさせたいものですが、この「ゴディバを選ぶ」という行動は、主体にとっては年の初めの選択としてふさわしいものだったのではないかと感じます。

購入したゴディバが誰かにあげるものだったとしても、「ゴディバを選ぶ」という選択自体は自分自身のものです。自分が何をあげるかを選択し、ゴディバを買うことを選んだのです。その選択は、決してひとりよがりで頑固なものではなく、相手のことを想像しながら選ばれたものであり、ほどよい強度をもち合わせた選択なのではないかと思います。

「一月一日」の「初売り」という状況が、より一層”選択”に意味を含ませているように感じさせる一首ではないでしょうか。

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