見てごらんこの青い空まっさきに会いたい人に会いに行くべし
馬淵のり子『そっと置くもの』
馬淵のり子の第一歌集『そっと置くもの』(2022年)に収められた一首です。
青い空が広がっている、ただそれだけで心が晴ればれとしてきます。
そんな青空の下、「会いたい人に会いに行くべし」と詠われていますが、空の青さと広大さが伝わってくる場面においてこのようにいわれると、まさにその通りだと感じます。
人生はいつどうなるかわかりません。限られた時間の中で大切なことは、自分がしたいと思ったことを優先して行うことではないでしょうか。
会いたい人がいるならば、その人に会いに行くことを優先することが大事で、会いたくない人に会う時間を極力減らす方がいいでしょう。
忙しい毎日に追われ、人は得てして”したい”よりも”すべき”で日々の時間を消費してしまいがちですが、やはり”したい”で考え、”したい”で行動することが人生を豊かにするひとつの要因ではないでしょうか。
「会いたい人に会いに行くべし」はストレートな表現でいわれてみれば当たり前のことなのですが、「会いたい人に会」うということができている人が、今の世の中一体どれくらいいるのでしょうか。
空が青ければ青いほど、かえって”あなたは自分が望むことをできていますか?”と問いかけられているように感じるのです。青い空は、自分が優先することは何なのか、今一度考えてみるきっかけを与えてくれているのです。
空はどこまでもつながっています。会いたい人は、この空の向こうのどこかにいるのです。さあ、会いたい人に会いに行こうではありませんか。