鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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エレベーターの歌 #7
〈エレベーターの一階ボタンくすんでる 僕らは羽を持たないゆえに〉(伊波真人『ナイトフライト』) -
エレベーターの歌 #6
〈エレベーター一人で乗っている時もわたしは私を数え忘れる〉(鈴木晴香『心がめあて』) -
エレベーターの歌 #5
〈エレベーター上へ上へと進みゆき下ばかり見る君と私は〉(川島結佳子『感傷ストーブ』) -
パンの歌 #30
〈三分の電車の遅延・エフェクトで馬鹿っぽいパン買ってしまった〉(宇野なずき『しかし世界はあなたではない』) -
コーヒーの歌 #19
〈肺活量に自信ある君蟹みたくアイスコーヒーぶくぶくさせて〉(川島結佳子『感傷ストーブ』) -
人生の歌 #127
〈ただ生きてゆくことだけを意識して生きる折り畳み傘を持たずに〉(川島結佳子『感傷ストーブ』) -
人生の歌 #126
〈途方もなく未来のことを託される前売り券が重たくて春〉(塚田千束『アスパラと潮騒』) -
人生の歌 #125
〈うしなへば自由になれる きつかけは些細で後はとつぴんしやん、と〉(西橋美保『うはの空』) -
エレベーターの歌 #4
〈滑らかにエレベーターは上下して最後までビルを出ることはない〉(松村正直『駅へ』) -
エレベーターの歌 #3
〈われのみのためにとまりて申訳なけれどエレベーターに身を押し込みぬ〉(吉岡生夫『草食獣 隠棲篇』) -
エレベーターの歌 #2
〈エレベーターわが前へ昇り来るまでを深き縦穴の前に待ちをり〉(田村元『昼の月』) -
観覧車の歌 #11
〈観覧車のぼりゆく午後 簡潔に母と子という単位を乗せて〉(俵万智『オレがマリオ』)