2023年– date –

短歌をつくったことはないし、これからつくるかどうかもわからないけど、まずは短歌がどんなものか知りたいと思っている。楽しく短歌を知ることのできる本はないかなあ？

〈悪くない　置き忘れたらそれきりのビニール傘とぼくの関係〉（松村正直『駅へ』）

〈なんらかのテストのようでまた傘の角度を前に左に変える〉（虫武一俊『羽虫群』）

〈灯りたるジュースの自動販売機コイン入れれば枯れ野広がる〉（岡部桂一郎『一点鐘』）

〈私だけ部下を持たない組織図は北極のような空白がある〉（奥村知世『工場』）

短歌をつくりはじめて、とりあえず五七五七七の三十一音のかたちには整うようにはなったけれど、どうもうまくつくれていないと感じる人もいるのではないでしょうか。 自分がつくった一首を見てみると、読み上げたときに何となくぎくしゃくしているとか、単調な感じがするとか、見所がないような気がするなど、特につくりはじめて間もないころはいろいろと思うところが出てきます。

多くの雲がたちのぼる意から、「出雲」に掛かる枕詞は何？

次の歌の【 ① 】に入る言葉は何？　〈ゆるやかに父が【 ① 】から老いていくかつてはわれを打ち据えた【 ① 】〉

〈少しずつ月を喰らって逃げている獣のように生きるしかない〉という巻頭歌で始まる、虫武一俊の第一歌集は何？

〈白パンにバターとジャムを塗ることが幸せである行為　はつなつ〉（小島なお『乱反射』）

〈自転車がなぜ倒れぬかを今ここでこの夏空の下証明してみよ〉（永田淳『1／125秒』）

短歌は三十一音であることは理解しているし、自分が思ったことを詠めばいいこともわかっているけれど、いざ短歌のかたちにしようとすると、どこから手をつけていいかわからないという人も多いのではないでしょうか。