問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈青あらしすぎしのちなり蝶ひとつとまりて暗き【 ① 】ありき〉 (伊藤一彦)
A. 雑草
B. 夕映え
C. 縁側
D. 鉄棒
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次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈青あらしすぎしのちなり蝶ひとつとまりて暗き【 ① 】ありき〉 (伊藤一彦)
A. 雑草
B. 夕映え
C. 縁側
D. 鉄棒
D. 鉄棒
青あらしすぎしのちなり蝶ひとつとまりて暗き鉄棒ありき
掲出歌は、伊藤一彦の第一歌集『瞑鳥記』の連作「鶴の首」に収められた一首です。
「青あらし」は「青嵐」ともいい、青葉のころに吹くやや強い風のことです。青嵐が過ぎたのちの静寂に、鉄棒に蝶ひとつが止まっている様が描かれています。
「暗き」という言葉がどこか不穏な印象を残し、この鉄棒の存在感が強く眼前に現れます。青嵐よりも蝶よりも、鉄棒そのものに焦点が寄っていき、この歌ほど鉄棒がさびしくも怖ろしいものとして迫ってくる一首はほかに見当たらない、そんな歌としてとても印象に残ります。