問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈ジオラマのなかにちいさき【 ① 】未来永劫死亡事故無し〉 (内山晶太)
A. 幼稚園
B. 交差点
C. 最寄駅
D. 遊園地
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解答 – Answer
D. 遊園地
解説
ジオラマのなかにちいさき遊園地未来永劫死亡事故無し
掲出歌は、内山晶太の第一歌集『窓、その他』の連作「反芻」に収められた一首です。
ジオラマの世界は現実とは違い、死亡事故はありません。いったん配置された人々(模型)は、そのジオラマのなかの遊園地においては未来永劫生き続ける存在となるのです。いや、ジオラマに配置されたものは生きているといえるのかどうか、仮に生きているといえるとしても「死」が訪れることはないのです。「未来永劫死亡事故無し」は望むべき未来でありながら、同時に死が訪れないという、とても恐ろしい未来をも表しています。そしてその場所が「遊園地」という娯楽の場であることが、より一層異様な印象を際立たせます。
遊園地という本来楽しい場所、そして死亡事故がないという幸せな状態のはずですが、このように詠われることによって、生と死の真実の裏側があぶり出されてくるような印象を受けます。