問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈空中にわずかとどまる海鳥のこころあなたと【 ① 】を分け合う〉 (堂園昌彦)
A. 空
B. 風
C. 雪
D. 月
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解答 – Answer
C. 雪
解説
空中にわずかとどまる海鳥のこころあなたと雪を分け合う
掲出歌は、堂園昌彦の第一歌集『やがて秋茄子へと到る』の連作「暴力的な世界における春の煮豆」に収められた一首です。
季節は冬でしょう。海鳥は空を飛んでいますが、羽ばたきをやめた鳥が一瞬止まっているように見えることがあります。「こころ」は海鳥のこころでしょうか、それとも私のこころなのでしょうか。いずれともとれるようなあいまいさの中で、「あなたと雪を分け合う」と詠われています。その雪を分け合うことすら、実景とも何かの暗喩ともどちらとも決めがたいといえます。具体的に捉えるのが非常に難しい歌ですが、海鳥がわずかにとどまる景色が心に残り、美しくもかなしい場面であることだけがなぜか伝わってくる印象があります。