問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】をホワイトソースに入れたれば素性分からぬ食感となる〉 (生沼義朗)
A. シーチキン
B. 焼き海苔
C. カニカマ
D. スイートコーン
答えを表示する
解答 – Answer
A. シーチキン
解説
シーチキンをホワイトソースに入れたれば素性分からぬ食感となる
掲出歌は、生沼義朗の第二歌集『関係について』の一連「竹に花」に収められた一首です。
グラタンやシチューなどに使われることが多いホワイトソースですが、「シーチキン」に混ぜると途端にシーチキンの食感が独特のものになる様がストレートかつ的確に表現されていると思います。
この組み合わせを味わったことのない読み手にも何となく不思議な食感になるイメージが湧くのは、「素性分からぬ」という言葉の選択によるところが大きいのではないでしょうか。
この歌のポイントはやはり「素性」という言葉であり、この言葉があるかないかで歌の印象はがらっと変わってくるでしょうし、歌としての魅力のあるなしにもつながると思います。
「素性分からぬ」という表現から、もしあらかじめシーチキンと知らされていなければ、シーチキンと気づかないほどの食感の変わりようがあったのだと想像できます。
また「素性分からぬ」といいながら、一方でその正体は「シーチキン」であることを把握しているところに少しねじれのようなものも感じます。
そのような意味合いも含め、とにかく「素性」という言葉が気になりますし、「素性」がこの歌を支えているように感じられる一首です。