問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
立山が後立山に影うつす夕日のときの【 ① 】しづかさ (川田順)
A. 大き
B. 清き
C. 赤き
D. 近き
答えを表示する
解答 – Answer
A. 大き
解説
立山が後立山に影うつす夕日のときの大きしづかさ
掲出歌は、川田順の歌集『鷲』の一連「立山」に収められた一首です。
北アルプスに位置する立山連峰と後立山連峰が壮大に詠われています。立山連峰から後立山連峰を眺めたとき、後立山連峰の山腹に立山連峰の影が映っている様子を詠っていますが、そのときの「しづかさ」が「大き」という形容によって強調されています。
作者は自分でこの歌についてコメントをしていますが、そこでは次のように述べています。
結句「しづかさ」を「しづけさ」としては、歌が小さく、弱くなる。
自釋
「しづかさ」か「しづけさ」か。たった一字の違いですが、この歌における静寂を表すにはやはり「しづかさ」である必要があったのでしょう。
この歌は結句の「大きしづかさ」が表現として特徴的だと思いますが、それによって山のスケールの大きさ、静寂の深さが圧倒的な存在感をもって伝わってくる一首だと感じます。