問題 – Question
〈苦しみて生きつつをれば枇杷の花終りて冬の後半となる〉という巻頭歌で始まる、佐藤佐太郎の第五歌集は何?
A. 『歩道』
B. 『立房』
C. 『帰潮』
D. 『群丘』
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解答 – Answer
C. 『帰潮』
解説
『帰潮』は1952年(昭和27年)2月に第二書房から刊行された佐藤佐太郎の第五歌集です。1947年(昭和22年)から1950年(昭和25年)までの4年間の作品566首が収められています。帰潮とは退き潮を意味します。
1948年(昭和23年) 、主宰誌「歩道」に「純粋短歌論」の連載が開始されましたが、この時期は『帰潮』の期間と重なります。論と作が関わりあい、実りの多い歌群を収めたこの歌集は、1952年に第3回読売文学賞を受賞しました。
代表歌
連結を終りし貨車はつぎつぎに伝はりてゆく連結の音
あぢさゐの藍のつゆけき花ありぬぬばたまの夜あかねさす昼
魚のごと冷えつつおもふ貧しきは貧しきものの連想を持つ
秋分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれて行く
わが来たる浜の離宮のひろき池に帰潮のうごく冬のゆふぐれ
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