問題 – Question
〈あさがおが朝を選んで咲くほどの出会いと思う肩並べつつ〉という巻頭歌で始まる、吉川宏志の第一歌集は何?
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歌集名には夏の昆虫が入ります。
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解答 – Answer
『青蟬』
解説
『青蟬』は1995年に出版された、吉川宏志の第一歌集です。青蟬とは蜩のことですが、訓読みにして歌集名にしています。著者25歳までの時期を歌った歌集で、恋愛、結婚、そして妻の出産などを背景としつつ、景と情との組み合わせ、対象への鋭い着眼を活かした歌の数々に惹かれます。
1996年、第40回現代歌人協会賞受賞。
『青蟬』より五首
カレンダーの隅24/31 分母の日に逢う約束がある
紫陽花に吸いつきおりしかたつむり動きはじめて前後が生ず
花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった
茂吉像は眼鏡も青銅こめかみに溶接されて日溜まりのなか
ハンバーガー包むみたいに紙おむつ替えれば庭にこおろぎが鳴く