問題 – Question
2012年、中島裕介がある哲学者の哲学をテーマごとに選別し短歌に超訳した本を出版したが、その哲学者とは誰?
A. カント
B. ニーチェ
C. ヘーゲル
D. プラトン
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解答 – Answer
B. ニーチェ
解説
ニーチェの哲学を超訳した中島裕介の著書は『もしニーチェが短歌を詠んだら』です。2012年(平成24年)に出版されました。
難解な哲学を超訳した本というのは数ありますが、短歌に超訳した本は大変珍しいでしょう。超訳といいながらも、著者が短歌に詠み直しているため、詠み方には著者の歌い方が影響しているのであり、同じ哲学を基にしても他の歌人が詠めばまた違った短歌ができあがるでしょう。
当書には次のような短歌が登場します。
残念なお知らせをまず致します「いつも世界は不公平です」
良いことかどうかと一度は疑ってみるのも悪と思われている
一首目はニーチェの『人間的、あまりに人間的・Ⅰ』、二首目は『曙光』の哲学を基に詠まれた短歌です。ニーチェの哲学の訳であることを伝えなくても成立する歌ではあるでしょうが、当書はニーチェの哲学と一緒に読むのが前提となっています。短歌を通して哲学に触れながら、また同時に哲学を通して短歌に触れるという構造になっています。
善悪、真理、自分自身、人間関係、友人、恋愛、生活、仕事、ことば等全十章に分類されており、ニーチェの哲学とそれを基にした短歌が楽しめる一冊です。