問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈猫柳の枝にほの赤き芽は吹きて【 ① 】一日は来る〉 (早川志織)
A. くすぐられたい
B. 渚のような
C. 抱かれやすき
D. 穏やかすぎる
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次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈猫柳の枝にほの赤き芽は吹きて【 ① 】一日は来る〉 (早川志織)
A. くすぐられたい
B. 渚のような
C. 抱かれやすき
D. 穏やかすぎる
A. くすぐられたい
猫柳の枝にほの赤き芽は吹きてくすぐられたい一日は来る
掲出歌は、早川志織の第一歌集『種の起源』の連作「つぼみ」に収められた一首です。
猫柳の季節は春。白い毛の集まった花が出てくる様子と重ね合わせて、「くすぐられたい一日」がやってくるというのです。確かに猫柳の花はくすぐったいイメージとよく合います。
しかし「くすぐられたい一日」とはいったいどのような日なのでしょうか。それは本来の意味でくすぐられる行為をされてみたいというふうにも捉えることはできますが、それよりはむしろ精神的に何らかの刺激を受けたい一日と捉えてみるのがいいのではないかと思います。
現状がどこか刺激が足りない、あるいは物足りなく納得いっていないという状況に、猫柳の白い毛はそんな現状に変化を与えてくれるきっかけそのものなのはないでしょうか。
決して強すぎず、ちょうどよい程度の柔らかさをもって、一日をくすぐってくれる猫柳の存在感が印象的な一首です。