鑑賞– appreciation –
一首鑑賞、テーマ別短歌の紹介など、短歌一首一首を取り上げます。
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直線・曲線の歌 #14
〈春眠より覚めるわたしはチョコレートのカシュウナッツのように曲がって〉(杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』) -
無数の歌 #21
〈変声期ひと知れず終え少年の五線譜に無数のゆりかもめ〉(鈴木加成太『うすがみの銀河』) -
無数の歌 #20
〈ひとひらの風花をまなじりに受けすでに無数のかざはなと知る〉(渡辺松男『雨る』) -
直線・曲線の歌 #13
〈夜の空にオリオン輝く星と星結び直線引きし人ありて〉(香川ヒサ『ヤマト・アライバル』) -
人生の歌 #118
〈理由などいつもあとからついてくるなだらかにうねる道のかたへを〉(三島麻亜子『水庭』) -
人生の歌 #117
〈時が止まればいい さう思はなくなつてずいぶん歩いてしまつた〉(大森益雄『歌日和』) -
傘の歌 #39
〈透明の傘をひらけばみどりごと我にあかるき雨降りかかる〉(中津昌子『風を残せり』) -
無数の歌 #19
〈高層の無数の窓に見下ろされ信号無視の一歩踏みだす〉(中津昌子『風を残せり』) -
無数の歌 #18
〈それぞれに目的があり乗り継いだ僕たちの無数のJR〉(青松輝『4』) -
無数の歌 #17
〈ハニカムの形のベンチが無数ありどうやって座るのか分からない〉(九螺ささら『ゆめのほとり鳥』) -
無数の歌 #16
〈天神の樹の電飾のあたたかき無数さよならのやうに無数〉(染野太朗『初恋』) -
無数の歌 #15
〈夕立は眼鏡を洗うためにある 楠の枝葉に無数のふるえ〉(笠木拓『はるかカーテンコールまで』)