短歌を始めるのにできるだけいろいろな短歌を読みたいと考えているんだ。多くの短歌が載っている本を買おうと思うけど、どの本を選べばいいかなあ?
それなら、いろいろな歌人の有名な歌が取り上げられているアンソロジーを買うといいね!
でも、どの本にどんな歌人の歌がどれだけ載っているかを確認してから、一冊選びたいなあ!
今でも手に入る、代表的なアンソロジーを取り上げて、歌人別の歌数を比較してみるから、参考にしてみてはどうかな?
短歌を始める際、どんな本から読み始めればいいでしょうか?
好きな歌人がいる場合やすでに多くの歌人の名前や歌を知っている場合はともかく、そうでない場合、まずどんな歌人がいて、どんな歌が詠まれているのかさえも、始めたばかりのころはあまりよくわかりません。
学校で習った歌や、教科書に出てきた歌、そして数名の歌人を知っているくらいという場合も珍しくないでしょう。
これから短歌を始めようという場合、とりあえずいろいろなタイプの歌人の歌を読んでみるのがおすすめです。その中からだんだんとお気に入りの歌や歌人が見つかっていくものです。
では、さまざまな歌人の歌が多数掲載された本はあるのでしょうか?
ありがたいことに、代表的な歌人の歌を収録し、わかりやすい解説をつけてくれている本がいくつかあるのです。このような本は、一般的に「アンソロジー」と呼ばれます。
ここでは、代表的な5冊のアンソロジーを取り上げ、収録歌数を一覧表で比較してみました。
アンソロジー5冊
今回は以下の5冊をピックアップしてみました。
今回一覧表の対象に選んだアンソロジー5冊
- 『現代短歌の鑑賞101』(小高賢)
- 『現代の歌人140』(小高賢)
- 『短歌タイムカプセル』(東直子、佐藤弓生、千葉聡)
- 『桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表』(山田航)
- 『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』(瀬戸夏子)
5冊で取り上げられた歌人を見てみると、明治生まれから平成生まれまで非常に幅広い範囲をカバーしていることがわかります。
この5冊を読むだけでも、広範囲にわたりかなりの数の短歌に触れることができますね!
歌人別掲載歌数一覧表
アンソロジー5冊に掲載されている短歌について、歌人別の歌数を一覧にしました。(五十音順表示)
自分のお気に入りの歌人がいる場合は、その歌人の短歌が掲載された本から読み始めるのもいいでしょう。また生年(公表されている歌人に限る)も載せていますので、どちらかといえば昔の歌を読みたい、反対に最近の歌を読みたいといった場合の参考にもなると思います。
※『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』は、取り上げられた歌人のみならず、関連する歌人の歌もいろいろ掲載されていますので、一覧表の最右列に合わせて記載しました。
anthology_listまとめ:短歌アンソロジーの歌人別掲載歌数比較一覧表
一覧表で見てみると気づきますが、同じ歌人が数冊のアンソロジーで重複して取り上げられていることがわかります。重複して取り上げられている歌人の歌は、ぜひとも読んでおきたいといえるかもしれません。
一方、今回取り上げた5冊のうち1冊だけにしか収録されていない歌人も存在します。
このケースは、アンソロジーを編んだ人物の考え方が如実に表れた結果といえるかもしれません。
そもそもアンソロジーというのは、編集する人の方針や考え方が影響するものです。そのような方針や考え方があるからこそ、アンソロジーは一冊ごとに違う味わいが生まれ、魅力的なものになるのだと考えています。誰が選んでも同じ歌人しか登場しないということになれば、おもしろくありませんし、何冊も発行される意味がなくなりますからね。
多くの本に取り上げられているからいいということでもなく、少ししか取り上げられていないからだめということでもありません。
あくまで自分がどう感じるか、どう考えるか、どの歌人が好きで、どの歌がいいと思うのか、これがとても重要なことです。
短歌の世界に深く入っていくのにうってつけのアンソロジー。ぜひ自分が気に入ったものから、手にとってみてはいかがでしょうか。
※アンソロジーや入門書について一冊ごとに詳細記事を書いていますので、よろしければ以下記事を参考にしてみてください。