問題 – Question
〈魂よいづくへ行くや見のこししうら若き日の夢に別れて〉という巻頭歌で始まる、前田夕暮の第一歌集は何?
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解答 – Answer
『収穫』
解説
『収穫』は1910年(明治43年)に出版された、前田夕暮の第一歌集です。明治39年から明治43年までの作品540首が収録されています。
歌集名は「歌はわが若き日の収穫なり」という前田夕暮の思いから、名付けられました。
著者二十代の歌群であり、青春期の労働、恋愛、生活を詠った歌が生き生きとしています。特に「君」へのまなざしは、鋭く、やさしく、やわらかく、そしてあたたかく、とにかく「君」に対する熱量の大きさを感じます。
前田夕暮は、若山牧水とともに自然主義文学を代表する歌人であり、「牧水・夕暮時代」といわれる時代を築きました。
『収穫』から五首
君ねむるあはれ女の魂のなげいだされしうつくしさかな
木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな
別れ来て電車に乗れば君が家の障子に夜の霧ふるがみゆ
健康をよろこび春のやはらかき日光を吸ふ林をいでて
白き乳のふくらみおもふ木蓮の日光のなかに咲きみだれたる