問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈新緑が金色に見える朝
ひとはなぜ【 ① 】が好きなんだろう〉 (伊藤紺)
A. 驚嘆
B. 不可思議
C. 特別
D. 想像
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解答 – Answer
C. 特別
解説
新緑が金色に見える朝
ひとはなぜ特別が好きなんだろう
掲出歌は、伊藤紺の第三歌集『気がする朝』に収められた一首です。
新緑と聞いて想像するのは、鮮やかで若々しい緑色ではないでしょうか。
しかし、この歌では「新緑が金色に見える朝」と詠われており、新緑は緑色ではありません。金色に見えたのです。緑色と金色は色という意味においては離れた色のようにも思いますが、光の加減で金色に光っていたのかもしれません。
とにかく新緑が金色に見える朝は「特別」なのでしょう。このような朝を主体は好ましく感じているのです。
それは金色に見えるという状況そのものではなく、金色に見えることで生まれる特別感を好んでいるのではないでしょうか。
いうなれば、好きなのは、新緑でもなく、新緑が緑色に見えることでもなく、新緑が金色に見えることでもないのでしょう。新緑が金色に見えた結果として発生する「特別」こそが好きなものなのです。
ですから、新緑が金色に見えたとしても、そこに特別感を抱かない人にとっては、この朝は何も特別なものにはならないでしょう。
同じ状況であっても、特別だと感じる人と特別だと感じない人がいるでしょう。
「特別」を感じる心が、日々を「特別」なものにしてくれるのかもしれません。