問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈一枚ずつラッピングして食パンを凍らせる日は【 ① 】がしたい〉 (カン・ハンナ)
A. 遠出
B. 結婚
C. 瞑想
D. 戴冠
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解答 – Answer
B. 結婚
解説
一枚ずつラッピングして食パンを凍らせる日は結婚がしたい
掲出歌は、カン・ハンナの第一歌集『まだまだです』の一連「ソメイヨシノは」に収められた一首です。
食パンを袋に入ったまま丸ごと凍らせるのではなく、一枚一枚ラッピングして凍らせるところに丁寧さを感じます。
そして、食パンを凍らせる行為を通して、主体は「結婚がしたい」と思っているのです。
「結婚がしたい」と思う理由を単純に想像すれば、4枚切りなり6枚切りなりの食パン一袋を買ったとしても、一人では消費期限までに全部を食べることができないことが多いのでしょう。そのため、消費期限が近づいたとき、ラッピングして凍らせているのではないでしょうか。もし、結婚して二人であれば、食パン一袋は期限内に食べ切られ、凍らせる必要もないのかもしれません。
ただ実際は、食パンを一枚ずつラッピングして凍らせるという行為は、「結婚がしたい」の中の代表的な一つの要因の例であって、本当はもっと他にもさまざまな出来事が「結婚がしたい」につながっているのだと思います。
一人では食パンを食べ切れないからという単純な状況だけではなく、「結婚がしたい」の背景にはもっと複雑なものが色々と重なっているようにも思います。
しかし、ここでは食パンを凍らせるという具体的な一つの状況が提示され、そのような日に限定されることで、この一首は立ち上がっているのではないかと感じます。