2025年– date –

〈こってりをあっさりで割りこっさりと云うらしいのだ　天下一品〉（小俵鱚太『レテ／移動祝祭日』）

〈百円のインスタントのラーメンに卵を一つキムチを添えて〉（カン・ハンナ『まだまだです』）

〈遅き春　エレベーターと階段のどちらを選んでも下へ行く〉（山木礼子『太陽の横』）

〈白い鳩売るこの店の顧客名簿マジシャン含有率高し〉（田中有芽子『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』）

〈視聴覚室の無数の穴に棲む虫チンアナゴみたいな動き〉（田中有芽子『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』）

〈動かない観覧車では整備士が朝の光を受けて働く〉（谷川電話『恋人不死身説』）

〈落下した観覧車の輪転がればカラフルな瓦礫埃舞いあげ〉（田中有芽子『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』）

〈潮風とレモンドーナツ　観覧車で生まれた人はいるのだろうか〉（小俵鱚太『レテ／移動祝祭日』）

〈幸せは気の持ちようと思う朝人と光と風流れる駅〉（田中有芽子『私は日本狼アレルギーかもしれないがもう分からない』）

「6月」に関わる短歌をピックアップしてみました。

歌人・谷じゃこが個人でつくっているA4サイズ1枚ものの短歌フリーペーパーの名前は何？

NHK学園生涯学習50周年記念として創設された、歌人の名を冠する短歌賞で、佐伯裕子、笹公人、穂村弘、大森静佳の4人が選者を務めるのは何？