問題 – Question
〈音楽へなだれんとするあやうさの……闇の深処に花揺らぐまで〉という巻頭歌で始まる、永田和宏の第一歌集は何?
A. 『メビウスの地平』
B. 『黄金分割』
C. 『無限軌道』
D. 『やぐるま』
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解答 – Answer
A. 『メビウスの地平』
解説
『メビウスの地平』は1975年に出版されました。著者28歳の時です。青春性を感じる歌が魅力的な歌集ですが、旧約聖書を題材にした歌も見られるなど、難解な歌も多く収められています。歌集の最後には”Quod Erat Demonstrandum”(ラテン語で「証明終わり」の意)と記されるなど、歌人でありながら細胞生物学者でもある著者の一面が表れた点も興味深い歌集です。
第2回現代歌人集会賞受賞。
代表歌
きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり
あの胸が岬のように遠かった。畜生! いつまでおれの少年
噴水のむこうのきみに夕焼けをかえさんとしてわれはくさはら
背を抱けば四肢かろうじて耐えているなだれおつるを紅葉と呼べり
ひとひらのレモンをきみは とおい昼の花火のようにまわしていたが
(選択肢の補足)
B.『黄金分割』は著者の第二歌集、C.『無限軌道』は第三歌集、D.『やぐるま』は第四歌集。