問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈綿雲のしづかにすべりゆく朝にたつたひとつの【 ① 】おもふ〉 (横山未来子)
A. 静脈
B. 抱擁
C. 声紋
D. 人生
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次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈綿雲のしづかにすべりゆく朝にたつたひとつの【 ① 】おもふ〉 (横山未来子)
A. 静脈
B. 抱擁
C. 声紋
D. 人生
C. 声紋
綿雲のしづかにすべりゆく朝にたつたひとつの声紋おもふ
掲出歌は、横山未来子の第一歌集『樹下のひとりの眠りのために』の連作「声紋」に収められた一首です。
綿雲は積雲の別称で、その名の通り綿のようなかたちの雲ですが、徐々にかたちを変化させていく雲です。その綿雲がすべりゆく朝に思うもの、それが「たつたひとつの声紋」なのです。
綿雲の視覚的な変化から、声という聴覚的な感覚へなめらかに移行していきます。声紋は指紋と違い、目に見えません。目に見えるものよりも、場合によってはむしろ目に見えないものの方が記憶に強く刻まれるということはあるでしょう。声紋という目に見えないものを思うところに、簡単には手の届かない、自身と相手との距離感が現れているように感じる歌です。