問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈夕鉤にかかりて上る魚の口かそかに【 ① 】吐息するはや〉 (馬場あき子)
A. さむき
B. にがき
C. あかき
D. くさき
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次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈夕鉤にかかりて上る魚の口かそかに【 ① 】吐息するはや〉 (馬場あき子)
A. さむき
B. にがき
C. あかき
D. くさき
A. さむき
夕鉤にかかりて上る魚の口かそかにさむき吐息するはや
掲出歌は、馬場あき子の第五歌集『桜花伝承』の連作「水辺の書(Ⅳ 父の岸)」に収められた一首です。
口に鉤がかかった状態で釣り上げられたときの魚の口というのは、何とも無防備なものです。体は揺すって抵抗することができても、鉤のかかった口だけはどうにも動かないものです。
この歌はそんな魚の口に注目した一首です。口を開けた状態の魚がわずかに「吐息」をしている様子、そしてその吐息は「さむき吐息」であると捉えています。ただ口を開けている魚と見がちなところに、吐息という動作が加わることで魚の生命が立体的に浮き上がってくる歌になっています。