問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】のご褒美としていいだらう大人は毎日電車に乗れる〉 (山木礼子)
A. 昇進
B. 深考
C. 早起き
D. 長生き
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解答 – Answer
D. 長生き
解説
長生きのご褒美としていいだらう大人は毎日電車に乗れる
掲出歌は、山木礼子の第一歌集『太陽の横』の一連「朝」に収められた一首です。
毎日電車に乗ること、つまりは通勤のことでしょう。
それは「ご褒美」なのでしょうか。通勤電車に揺られることを「ご褒美」だと思っている大人は一体何人いるでしょうか。反対に、苦痛だと感じている人の方が多いのではないでしょうか。
この歌は、子どもに対していっている歌だと思います。電車好きな子どもに対して、長生きして大人になれば毎日電車に乗れること(あるいは乗らなければならないこと)をいっているのではないでしょうか。
理由はともかく、電車好きな子どもにとって毎日電車に乗れることはとてもうらやましいことでしょう。そして毎日電車に乗る行為をしているのは、「長生きのご褒美」だと主体が捉えなおしているのだと思います。
素直にご褒美だと思っているとも、アイロニーを含んだ歌とも採れるでしょう。いずれにしても、毎日電車に乗る大人たちが数多くいることは確かでしょうし、その電車時間をどのように感じるかも人それぞれですが、この歌のように「長生きのご褒美」という視点をもってみるのも面白いのではないかと感じます。