問題 – Question
〈美しさのことを言えって冬の日の輝く針を差し出している〉という巻頭歌で始まる、堂園昌彦の第一歌集は何?
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ある食べ物が入ります。
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解答 – Answer
『やがて秋茄子へと到る』
解説
『やがて秋茄子へと到る』は2013年に出版された、堂園昌彦の第一歌集です。短歌研究新人賞最終候補となった30首の連作「やがて秋茄子へと到る」が歌集の巻頭に置かれています。
光や時間といった捉えどころのないものが、とても美しく詠み込まれています。具体的場面というよりも、どこか別世界を感じさせる歌の数々は淡いといえば淡いのですが、その美しくも淡い印象が癖になり、何度も繰り返し読みたくなるのです。
版元「港の人」の装幀も素敵で、1ページ一首の活版印刷という一冊であり、ぜひ手元に置いておきたい歌集に仕上がっています。
早稲田短歌会出身。
『やがて秋茄子へと到る』から五首
秋茄子を両手に乗せて光らせてどうして死ぬんだろう僕たちは
砂浜を歩き海から目に届く光のためにおじぎを交わす
まぶたからまぶたへ渡す冬の日の凍り付いてるすてきな光
夕暮れが日暮れに変わる一瞬のあなたの薔薇色のあばら骨
シロツメクサの花輪を解いた指先でいつかあなたの瞼を閉ざす