問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈にはか雨そそぐ路傍に傘ささず立ちゐしひとは【 ① 】ならむ〉 (川本浩美)
A. オプティミスト
B. ペシミスト
C. ニヒリスト
D. マゾヒスト
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解答 – Answer
B. ペシミスト
解説
にはか雨そそぐ路傍に傘ささず立ちゐしひとはペシミストならむ
掲出歌は、川本浩美の第一歌集『起伏と遠景』の一連「臨界」に収められた一首です。
「ペシミスト」とは悲観主義者や厭世主義者を指す言葉で、オプティミスト(楽観主義者)の対義語として使われます。
掲出歌は、にわか雨が降る中、傘を差さずに立つ人を、ペシミストだろうと捉えている場面です。
「立ちゐし」と過去の時制となっているので、傘を差さずに立っているのは今まさに目の前の出来事ではなく、主体が思い出している光景であり、「ペシミストならむ」と感じているときと、若干時間差があるのかもしれません。
実際、傘を差さずに立っていた人がペシミストかどうかはわかりませんが、主体にはそのように捉えられたというところが、この歌のポイントだと思います。
上句の「にはか雨そそぐ路傍に傘ささず」のリズム感が心地よく、”降る”ではなく「そそぐ」という表現が丁寧で魅力的に感じます。
また「そそぐ」と「ささず」の視覚的にも音的にも呼応するようなところが光る一首ではないでしょうか。
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