問題 – Question
〈まっさらなノートのような思い出が音もなく降りこぼれる僕に〉という巻頭歌で始まる、土岐友浩の第一歌集は何?
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解答 – Answer
『Bootleg』
解説
『Bootleg』(ブートレッグ)は2015年に出版された、土岐友浩の第一歌集です。書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズの第22弾として出版されました。
日常の何気ない場面が口語で丁寧にすくいとられ、まさに青春歌集と呼んでもいい一冊です。自分と相手を見つめる目に繊細さを感じさせ、奥行きある歌に魅力を感じます。
第41回現代歌人集会賞受賞。
『Bootleg』から五首
そのひとは五月生まれで「了解」を「りょ」と略したメールをくれる
フルーツのタルトをちゃんと予約した夜にみぞれがもう一度降る
アルバイトしているところを少しだけ邪魔して帰っていく冬の雨
発泡スチロールの箱をしずかにかたむけて魚屋が水を捨てるゆうぐれ
ぴったりの場所はどこにもないけれど海の浅瀬をあなたは歩く