問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】をふるまいたいな【 ① 】と口にするのが気持ちいいから〉 (安田茜)
A. カフェオレ
B. 葡萄酒
C. ピスターシュ
D. 揚げ餅
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解答 – Answer
B. 葡萄酒
解説
葡萄酒をふるまいたいな葡萄酒と口にするのが気持ちいいから
掲出歌は、安田茜の第一歌集『結晶質』の一連「agnes」に収められた一首です。
現在では「葡萄酒」とワインはほぼ同じものを指すと考えていいでしょう。ワインというのか、それとも葡萄酒というのか、たとえ同じ飲み物を指すとしても、随分と印象が変わるものです。
この歌では、「葡萄酒をふるまいたいな」と詠われています。しかし、振る舞いたい理由としては、相手に葡萄酒を飲んでほしいということよりも、「葡萄酒と口にするのが気持ちいいから」と述べられています。
主体は、葡萄の果汁を発酵させてつくったお酒を、ワインと言葉にするよりも「葡萄酒」と呼んでいたいということでしょう。「葡萄酒」と声に出したとき、葡萄のお酒は「葡萄酒」という響きを伴った、その響きによって形づくられた飲み物となるのだと思います。
ワインといえばワインとして、葡萄酒といえば葡萄酒として、その飲み物は存在するのではないでしょうか。
言葉の響きに対する喜びがあふれている一首だと感じます。