問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈呼ぶ声に顔を上げれば夜桜が【 ① 】のように明るい〉 (笠木拓)
A. 豆電球
B. 方位磁石
C. 西ヨーロッパ
D. ポップコーン
答えを表示する
解答 – Answer
D. ポップコーン
解説
呼ぶ声に顔を上げれば夜桜がポップコーンのように明るい
掲出歌は、笠木拓の第一歌集『はるかカーテンコールまで』の一連「雨音をやがて失う」に収められた一首です。
時間は夜。主体はしゃがんでいたのでしょうか。
誰かから声をかけられ、顔を上げると「夜桜」が広がっていた場面です。
夜桜は、多くの場合ライトアップされています。ライトアップされていないと、夜の闇に紛れ込んで桜の花びらをはっきりと見ることはできません。
この歌もライトアップされた桜だったのだと思います。公園、城、どこかの道沿いなどの夜桜を想像します。
ライトアップされた夜桜は、夜空の暗さに浮かび、その夜空の闇と対比すると、日中見るよりもより白く輪郭がくっきりとした印象があります。この歌は夜桜の明るさを詠っていますが、それを「ポップコーンのように明るい」と喩えたところがとても魅力的です。
夜桜の形状、その白さ、明るさ、くっきりとした輪郭など、「ポップコーン」といわれることで、夜桜の存在感が増すようです。「ポップコーン」という音の響きも、この光景に楽しさや明るさを加えているようで、印象に残る一首です。