問題 – Question
2024年、第35回歌壇賞を「ハーフ・プリズム」30首で受賞した歌人は誰?
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解答 – Answer
早月くら
解説
2024年(令和6年)で第35回を迎える歌壇賞(本阿弥書店主催)。選考委員は三枝昻之、東直子、水原紫苑、吉川宏志の四名。
今回、397篇の応募作の中から第35回歌壇賞を受賞したのは早月くらです。作品のタイトルは「ハーフ・プリズム」。選考座談会で触れられていますが、受賞作品は職業や生活があまり見えないのが特徴です。そのような物語を押し出すのではなく、言葉や表現に重きを置き、言葉によって感情をどれだけ勝負できるかというところが魅力の一連です。
四人の選考委員のうち、二人が2点、一人が1点の計5点の最高得点票を集め、そのまま順当に受賞に輝きました。
『ハーフ・プリズム』から五首
しなやかなめまいがあって手をついた場所から果樹が広がってゆく
予定より予感を話したかったが、半透明に頷いている
一生にみる白昼夢、ひと夏に冷ました麦茶、蟬がやまない
つめたさに曇るボトルへ口づけて胃袋の透明な輪郭
レリーフの永遠の視線を遮ってまだ生きるからまばたきをする