問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】を人に任せてうたたねの人のよい人 うたがわぬ人〉 (吉岡生夫)
A. 家計簿
B. 昼飯
C. 学習
D. 喉元
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解答 – Answer
D. 喉元
解説
喉元を人に任せてうたたねの人のよい人 うたがわぬ人
掲出歌は、吉岡生夫の第八歌集『草食獣 第八篇』に収められた一首です。
この歌は理髪店での場面を詠っています。この歌の次に掲載されている一首を読めば、より状況がわかります。
その気にさえなれば血を噴くバーバーの頸動脈が並ぶ日曜
理髪店ではカットに髭剃りがセットになっている場合が多いですが、カミソリによる髭剃りを他人に任すというのは改めて考えると怖いことです。
店員の気ひとつで喉が切られてしまう、そんな未来がなくもないのです。確かに髭剃りを受けているとき、ヒヤッとする場面やゾクッとする場面に出くわすことがあります。
喉元をさらす人々が理髪店の椅子に並んでいる状況を冷静に見つめている著者がいます。そして著者自身も、喉元をさらす一人として集団のなかに組み込まれていくのです。
疑い始めれば、今後理髪店には通えなくなってしまいますが、理髪店に行くとこの一首を思い出してしまいそうです。