次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈「あ」と打つと【 ① 】とでてくる聖夜なんでもしてあげたくって困る〉 (高田ほのか)
A. 逢いたい
B. アイ・ラブ・ユー
C. Amazon
D. アンドロメダ
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C. Amazon
「あ」と打つとAmazonとでてくる聖夜なんでもしてあげたくって困る
掲出歌は、高田ほのかの第一歌集『ライナスの毛布』の連作「十二月はすべて星」に収められた一首です。
スマホかパソコンか、文字入力をする際に、これまでの入力履歴をもとにした入力候補が表示されるのが当たり前となりました。
この歌では「あ」と文字を打ったときの候補として「Amazon」が出てくるのですが、それは普段「Amazon」という言葉を多く選択しているからなのでしょう。
場面は聖夜、クリスマスイブ。年に一度のこのとき、想いを寄せる相手に送りたい言葉は何でしょうか。「あ」から始まる言葉として「あいたい」「あいしてる」「あなたが好き」「あの場所で待ってるね」などいろいろ考えられます。
しかし出てきた言葉は「Amazon」。よりによってこんなときに「Amazon」とは。
少し変わった見方をすれば、「Amazon」は普段の入力履歴の結果として表れたものですが、クリスマスプレゼントを考えた場合、Amazonなら品揃えの豊富さから、何でもその期待に応えてくれるというように捉えることも可能ではないでしょうか。
下句の「なんでもしてあげたくって困る」からは、相手に対する思いの強さを感じますが、聖夜だからより一層その思いが強くなっているのかもしれません。
最初は「聖夜」と「Amazon」の落差が何ともいえない一首だと思っていましたが、実は「聖夜」における「Amazon」は「なんでもしてあげ」るためには欠かせない存在であるということを一方で示してくれている一首なのではないでしょうか。