問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈不思議なる音して去年の【 ① 】が降るきょーん、きゃーん、きゃーん、きょーん〉 (岡部桂一郎)
A. 雨
B. 雪
C. 時
D. 声
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解答 – Answer
B. 雪
解説
不思議なる音して去年の雪が降るきょーん、きゃーん、きゃーん、きょーん
掲出歌は、岡部桂一郎の第四歌集『一点鐘』の連作「不思議な音」に収められた一首です。
雪が降る音の形容として、どんなものが思い浮かぶでしょうか。
こんこんと雪が降る、しんしんと雪が降るなどはすぐに思い浮かぶ形容でしょう。
しかしこの歌で用いられているオノマトペは「きょーん、きゃーん、きゃーん、きょーん」。雪の形容としてはこれまで聞いたことがありません。
この音は、吉兆のきざしでしょうか、それもと不穏の予兆でしょうか。この歌では「不思議なる音」としてしか述べられておらず、どちらとも捉えられるでしょう。このあたりは読み手の心情に委ねられている部分があるかもしれません。
いずれにしてもこの独特のオノマトペは、一読して記憶に刻まれます。雪を見るたびに、この不思議な音がよみがえってくることでしょう。