問題 – Question
〈たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく〉という巻頭歌で始まる、内山晶太の第一歌集は何?
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解答 – Answer
『窓、その他』
解説
『窓、その他』は2012年(平成24年)に出版された、内山晶太の第一歌集です。二十代半ばから十年間の357首を収録しています。歌集のタイトルにある通り、窓を詠んだ歌が多く見られます。
対象を見る眼は優しくも寂しくもあり、何ともいえず心の奥底に触れてくるような歌の数々。繰り返し何度も読みたくなる一冊です。
第57回現代歌人協会賞受賞。
『窓、その他』より五首
通過電車の窓のはやさに人格のながれ溶けあうながき窓みゆ
さみしさも寒さも指にあつまれば菊をほぐして椿をほぐす
いっぴきの蛾の全力であらわれてお寿司のうえをはばたき渡る
空中をしずみてゆけるさくらばなひいふうみいよいつ無に還る
ショートケーキを箸もて食し生誕というささやかなエラーを祝う