問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈橋桁にざぶざぶと水ぶちあたる【 ① 】とし言へるごとくに〉 (大辻隆弘)
A. ゆるさない
B. ふざけるな
C. もういいよ
D. ざまあみろ
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解答 – Answer
D. ざまあみろ
解説
橋桁にざぶざぶと水ぶちあたるざまあみろとし言へるごとくに
掲出歌は、大辻隆弘の第八歌集『景徳鎮』の連作「書庫」に収められた一首です。
この歌の一首前は次の歌が置かれています。
水嵩をぐんぐん増して橋桁の下にのたうつ濁流は見ゆ
橋桁に勢いを増した水がぶちあたる様子を見ている場面ですが、その様子に「ざまあみろ」という言葉を感じ取ってしまっています。
水が橋桁を強く打ちはじめますが、自然にとって本来それは水があたっているという状況だけであり、なにがしかの感情や言葉を想起するのは、それを見ている側の人間です。
「ざまあみろとし言へるごとくに」水がぶちあたると思うのは、ぶちあたる様子を見ている者にとって何か心穏やかならぬ思いがあったのかもしれません。「ざぶざぶと」水が橋桁に何度も当たる様子が、心の揺れに重ね合わさり、その揺れ幅が次第に大きくなっていくような印象を受けます。
「ざまあみろ」という言葉は日常でなかなか出会うことはありませんし、正負でいえばやはり負の感情に属する言葉でしょう。
橋桁に水がぶちあたるように、心の様子の痛々しさが剝き出しになって、読み手に伝わってくる一首だと感じます。
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※名字の「辻」の字は、正しくは1点しんにょうです。