問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈縦三点横二点の組み合はせ六点の星揃へば「【 ① 】」なり〉 (春日いづみ)
A. 目
B. 耳
C. 口
D. 鼻
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解答 – Answer
A. 目
解説
縦三点横二点の組み合はせ六点の星揃へば「目」なり
掲出歌は、春日いづみの第五歌集『地球見』の連作「六点の星」に収められた一首です。
この歌で詠われている「六点の星」とは点字のことです。
点字は6つの点の組み合わせによって仮名を表示しますが、6点点字は元々はフランスの教師ルイ・ブライユによって19世紀に考案されました。その後「日本点字の父」といわれる石川倉次によって、日本語点字の基礎が築かれました。
掲出歌で詠われているように6つの点すべてが配置された場合、五十音でいえば「め」となります。ここでは見た目のかたちと音、そして点字が目の見えない人に関わるものであることなど様々な意味合いの重なりを、鉤括弧を用いて「目」と表現しています。
また目の見えない人にとって点字のひとつひとつの点はまさに星であるという作者の思いが「六点の星」という表現となって表れているのだと思います。
点字に触れる、点字に関わる様を詠った一連の中で詠まれた一首です。