問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈飲みかけのペットボトルをぎりぎりの手すりに置いて見る【 ① 】は〉 (榊原紘)
A. 満月
B. 着信
C. 横顔
D. 街並
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解答 – Answer
B. 着信
解説
飲みかけのペットボトルをぎりぎりの手すりに置いて見る着信は
掲出歌は、榊原紘の第一歌集『悪友』の連作「短い脚立」に収められた一首です。
この歌に登場する「手すり」は階段か、歩道橋か、あるいかベランダか、色々と想像することはできます。ペットボトルを手すりに置く場面とはどんな場面が考えられるでしょうか。
ペットボトルを置きたいのだけれど、手ごろな台やテーブルがないときに、やむなく手すりに置くという場合が考えられます。
この歌では携帯電話に着信があり、それを見ようとして、手にもっていたペットボトルを置いた状況が詠われています。携帯電話を片手で見るには難しく、かといってペットボトルを置く場所もなく、しまう鞄もひょっとしたらなかったのかもしれません。あるいは「飲みかけ」というところから、わざわざしまうという行為へは至らないということも考えられます。
そんな状況で選ばれたのが「ぎりぎりの手すりに置いて」着信を見るという行為だったのでしょう。
「ぎりぎりの」というのがとても効果を上げていて、ぎりぎりのところに置いてまでも早く着信を見たいという気持ちをとてもよく表しているように感じます。
ペットボトルの飲み物を飲むという行為と、着信を見るという行為を比べた場合、後者が優先され、その境界線としての「ぎりぎりの手すり」は、何気ないようでいて、実は一連の動作や心の動きを十分に表現している一首ではないかと思います。